日本医師会災害医療チーム(JMAT)で能登地震支援に赴いた形成外科医&
日本災害医学会学生部会(DMAS)で活動する医学生の講演でした。
JMATとは災害医療の急性期から慢性期を担う日本医師会の要請で編成されるチームです。
各都道府県から1チームずつ派遣され被災地の復旧を支えます。

しかし現地の状況やニーズは、毎日変化します。
情報の統括や共有不足から被災者とチームのアンマッチ、
さらにはDMAT、赤十字など各チーム間での争いなど、
きれいごとでは済まされない災害支援のリアルを語っていただきました。

とにかく大切なのは「傾聴」
実際の医療行為よりも、被災者が今何に困っているのかひたすら耳を傾けること。
そして、支援に携わる者は、
「利他」を重んじ、与えることだけ考える姿勢が災害支援の本質であること
「支援者支援」の観点から、自身の適切な休息も必要であること
を教えていただきました。




参加者の感想
●医療者として、患者さんに医療を提供することはもちろんですが、それ以上に被災者に対するメンタルケアの重要性を感じました。辛い思いをしている方々が前に進んでいくための大きな力を与えるきっかけとして、傾聴することの重要性を感じました。
また、命を救うことを目的に集合した医療団体が、救える多くの命を前に対立し合うことは本当に悲しいことだと思います。人の命を守ることと、所属団体の成果、どちらが大切か、今一度目的を振り返って災害医療に望むべきだと思います。自分が被災地に医療者として出向いた時には、自分が何を守りたいのか、何をしに来たのか、見失わないでいたい、と強く感じました。(医学生)
●災害が起きてしまうと、私が助けなければ、ニーズは、と難しいことばかり考えて気付けば我利我利になってしまうのかもしれないけど、シンプルに今目の前の相手に何ができるかの利他の心を忘れないことが一番大事なのかもしれないな、と思いました。
明日も仕事がんばろうと思えるイベントでした。ありがとうございました。(看護師)