医療を考える会

お知らせ

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「命の終わりにどう向き合うか—弁護士が語る安楽死・尊厳死入門」を開催しました。

「命の終わりにどう向き合うか—弁護士が語る安楽死・尊厳死入門」を開催しました。

安楽死とは

一口に「安楽死」といっても、3つに分類されます。

1 消極的安楽死

2 間接的安楽死

3 積極的安楽死

1は延命治療を望まない患者に対し治療を行わない選択をするもので、尊厳死と類似しています。

2は苦痛緩和の結果として死期が早まる場合。

3は狭義の安楽死で、本人の要求に基づいて積極的に患者の命を終わらせることです。

安楽死と法律の関係

日本では現時点では違法であり、殺人罪が適用されます。

いっぽう海外では安楽死や医師による自殺幇助が合法化されている国が多数存在します。

実際の裁判例

・名古屋高裁昭和37年12月22日判決

・東海大学病院事件(横浜地裁平成7年3月28日判決)

を通して、安楽死を巡る法的解釈が示されました。

まとめ

積極的安楽死を是とした場合、医師に「患者を殺す義務」を課すことになりかねません。

安楽死の名のもとに不適合者を排除する社会も見え隠れしてきます。

安楽死を求める声は、患者の苦痛緩和が不十分なことの裏返しでもあります。

しかし、ケアを尽くした上で、なお残る苦しみに医療者はどう向き合うべきか…

自身の生命観が問われる課題であることが浮き彫りになりました。

参加者の感想

安楽死や尊厳死について改めて弁護士さんから解説いただき、法的にも安楽死の許容要件を一概に定めるのは難しいことが分かりました。
この問題を考えるためには、法学や医学を超えて命の意味を真剣に考える必要があると思います。
意見交換の時間には疼痛や緩和ケアの最新情報についても聞くことができ勉強になりました。(医学生)

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