医療を考える会

お知らせ

お知らせ

緩和ケアにおけるコミュニケーション~「その人らしさ」に隠された問題と高齢者差別を考える~ を開催しました。

緩和ケアにおけるコミュニケーション~「その人らしさ」に隠された問題と高齢者差別を考える~ を開催しました。

緩和ケア医の講演でした。

1 緩和ケアの骨格

緩和ケア=痛みの緩和ではなく
全人的苦痛の緩和が真義です。
苦痛の土台にはスピリチュアルペイン
(自己の存在と意味の消滅から生じる苦痛)
が存在しているとされますが、
多くの医療者は患者さんからの「なぜ生きる」
の問いに逃げてしまいます。

2 対人援助のアプローチ

●キュアーー薬や手術で苦痛を取り除く
●ケアーーー関係の力で新しいQOLを獲得するのを支える
特にケアについて、傾聴による援助的コミュニケーションの
有用性を教えていただきました。
例 「透析やめたい」という患者さんに対して
✕ 「ダメ、ゼッタイ!透析やめないで!」
◯ 「透析をやめたいのですね」

3 「その人らしく」

ケアの現場でよく言われる「その人らしさ」を支えるという表現。
しかし、個人主義的人間観を重んじる欧米発の概念であり、
世間を重んじる日本人の気質には合わない可能性がある。
在宅こそが正義といった医療者のおしつけを助長することもある。

4 悲嘆のケアを通して感じたエイジイズム(高齢者差別)

遺族の声を聞く「悲嘆のケア」で最近あった事例。
高齢の親への治療を主治医の「もう歳だから」の一言でバッサリ切られ
手術をしてもらえなかった。
「歳だから」医療を手控えることははたして善か悪か。
高齢者医療の是非を考える機会をいただきました。

【参加者の感想】

●お話を聞いて将来、患者さんと接する立場になった時に患者さん一人一人の心、気持ちとお話できるような人になりたいと思いました。その為に今から友達や家族に寄り添った生活をしていきたいです。また、人は何故生きるのかとか 生死に関わる深い質問を受けた時に答えられるよう、学校で友達とその話題で話してみたり、本や医療関係者の方にお話を伺ったりして、広く知識を得ていきたいと思いました。(中学生)

●スピリチュアルペインに逃げずに向き合う姿勢を持とうと強く思いました。(研修医)

ページトップ